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「Museum Literacy」<Morio Action>のページ

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Morio 京都 Action  No.2 < 活動概要 >

Action No.2

大原・宝泉院「日新庵」の襖絵制作:8面+4面

 先述した顕正会の終了後に、宝泉院の藤井ご住職からキュレターに対して、同院敷地内に移築された重要文化財級の「日新庵」にある白地のままの襖に、松井画伯の筆による襖絵を描いてもらえないかというご相談がありました。

 

 たまたま、同時期に松井画伯の郷里である豊橋に於いて、近作になるフランス・ルルドで描いた水彩画51点の作品等の展示会を開催していた事もあり、藤井ご住職の意向がキュレターを通して松井画伯に伝えられました。

 

 後日、宝泉院を訪問し「日新庵」を見分された上で、同院のお庭の素晴らしさに感銘を受けられて、松井画伯ご自身の画業の一つとして8面の襖絵を描く事が決まりました。

 

 襖絵と言えば、通常は日本画というのが通り相場のようですが、松井画伯は元々が洋画家ですので、この襖絵も油絵で描く事になっています。

 

 松井画伯は、以前から和紙に油絵を描くと言う画法を研究されていた事もあり、この機会に新しい画法を試みようとされたようです。

 

 テーマは、宝泉院の「五葉松」に因んで「松」が描かれるようですが、この和紙に油絵を描くと言う画法は、洋画家・松井守男の新たな境地を開くものと注目され、期待感が溢れる中でその完成が待たれる画業となると思われます。

( 日新庵の室内 )

( 宝泉院の五葉松 )


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Morio 京都 Action  No.2 < 活動報告 >

Action No.2

大原・宝泉院「日新庵」の襖絵制作:8面+4面 計12面

制作を終わって後片付けをする松井画伯
制作を終わって後片付けをする松井画伯

 当初、8面の襖絵を制作するというお話しでしたが、制作後、隣室の4面も描いてほしい、という藤井住職のご依頼があり、合計12面の襖絵を制作するという事になりました。

 

 襖と言えば、和紙。そこに、松井画伯は油彩画で描く、という方法を選択しています。

 

 モチーフは、宝泉院に因んで五葉松や勝林院の本殿、周囲の自然などです。

角の柱を松の幹に見立てて描いています。 
角の柱を松の幹に見立てて描いています。 

  ご覧の様に、部屋の角のあった柱を、五葉松の幹に見立てて描き始められ、樹齢700年と言われている五葉松を育てた大地のエネルギーを沸き上がらせる様にして両側に広げて描いています。

 

 そのエネルギーは、No.3の勝林院を描いた時に感じていた本殿を抽象化しつつ、その中に注がれます。

勝林院の本堂にもエネルギーが注がれる。 
勝林院の本堂にもエネルギーが注がれる。 

 周囲の自然にも、このエネルギーが広げられ、部屋の壁の色との調和を図りつつ様々な色を使って、空間全体を明るく包む様に描いています。

 

 ここでも、今回の京都Actionで特徴的なフォルムの一つである「○」のモチーフが使われています。

 

 また、追加された4面には、住職の「水墨画の様に」という要望を受けて、左は北斎、真中は横山大観風に、そして右端には、松井画伯の富士山が描かれました。


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