新たなミュージアム像の探求 その4

サンフランシスコのケーブルカー   
サンフランシスコのケーブルカー   

 次のフェーズに向かって~

 その後、 「アクティブ・ミュージアム」を開催した時に出会った、アマチュアの人形劇集団との出会いが、 今日の情報化社会に於けるミュージアム像を求めていた私に、 より一層コンピュータへの関心を深めさました。 

 

 特に、先のブログに於いては、アマチュアの人形劇集団と表現していますが、実態は「音楽」をテーマにして、コンピュータを使った教育に関する研究をしている私的研究グループでした。

  その彼らとの出会いがコンピュータと教育との関係性ヘの関心を持つキッカケになりました。

 本ブログの「新たなミュージアム像の探求  その2」でも触れました様に「アクティブ・ミュージアム」開催中の彼らとの交流から、改めて研究員として研究に関わらないかとの誘いを受け、後日、彼らの研究所を何度か訪ね、活動の様子を見る機会を得ました。

 丁度その頃は、米国の軍事用情報ネットワークとして導入されていたインターネットを、同じ通信回線を使って大学間の研究や教育活動に活用するという動きが、太平洋を超えて我が国の主要大学にも波及し、大学間の研究用のネットワークとして導入しようとされていた時期でした。

 コンピュータ自体の機能と、インターネットというネットワーク、そして、民博の様にいずれはミュージアムにもコンピュータが導入されるであろうという予感・・・。
それらがない交ぜになり、いよいよ私のミュージアム研究に対する目標がはっきりしてきたという感じを抱きました。

 コンピュータを使って、新たな教育のあり方を研究している彼らの活動との出会いが、私に於いては「コンピュータというものの働きを知る事が新たなミュージアムの姿を探る事に等しい」と考えられる事を気づかされた、と言い換える事ができます。

情報化社会における新しいミュージアムの姿とその理論構築・・・。
新しいミュージアム像と社会との関わりの探求・・・。
コンピュータの技術あるいは「情報」という視点から物事を考える事で、私なりのミュージアム像が見えてくるのではないか・・・という予感。

 「アクティブ・ミュージアム」というコンセプトを軸に催し物を実施した結果、出会った事は、それを実施する過程で出会った「コンピュータとその活用研究」という学芸員としての研究課題でした。

フィーチャー・オブ・ザ・ミュージアム。

何処に行けば出会えるのか・・・。

 そんなミュージアム像を求めようとする新たな歩み、自らの視界の広がりを感じつつ、新たなフェーズへ出発する時がやってきたようです。

 

写真説明/

サンフランシスコ市から大阪市に対して、姉妹都市提携記念に送られてきた車両で、実際に使用していたもの。大阪市の依頼を受け、交通科学館(当時)が、保管・公開していました