「Museum Literacy」＜ ちょうちょ結び ＞ のページ

　私の業務アシスタントを経た後、某大手園芸会社で腕を磨き、植木職人として独立。

 

　植木職人を選んだのは、私が事務所に観葉植物を買ってきた事と植物が好きだという事に触発された為だとか。（後日、知りました）

 

「midorigo」の前の社名が「リーフティーリズム」と言い、いずれの社名にも彼の音楽へのこだわりが表現されているようです。

 

ミュージシャンの感性が、植木の手入れやみどりのディスプレイにも活かされ、「自然系でランニングコストがかからない」が、プロとしてのコンセプトであり彼の流儀とか。

 

　近年は、コンサートの他、自らのグリーン・ネットワークを活かして、新たな分野にも幅を広げつつある。

 

ある年の晩秋の事・・・。

彼が、就職していた園芸会社の仕事を請け負う事になった時、私に助っ人の相談がありました。

　その仕事というのが、外資系ホテルのクリスマスの飾り付け。

玄関やロビーに大きなツリーを置いたり、電飾の飾りや各部屋にもそれぞれ、ツリーが飾られます。

 

　クリスマスの１ヶ月も前から、点検やリースの飾り付けをして事前の準備を行なう。

前日、ツリーを運び込み、当日は、夜遅くから深夜にかけて、各階それぞれの場所に運び込んで設置します。ホテルの宴会や飲食等の営業が終わり、宿泊客が寝静まった頃に行なわれる作業は、まさに、縁の下の力持ちであり、ミュージシャンとしてのエンターテイメントではなく、まさに、オーディエンスのいない、もう一つのエンターテイメントが行なわれていました。

 

　また、ある時には、彼が「みどりのディスプレイ」をした所を案内する、というのでその場所をお訪ねした時の事です。

　案内された高齢者デイ・サービスの室内には観葉植物が飾られ、ともすれば、病院然とした空間が、みどりがある事によって「和み」が生まれ、命の営みを感じる「日常生活の場」に変わっています。

 

　そのデイ・サービス「サクラ」が新たに一カ所増やす事になり、同じく、彼に案内されてその場所を訪れた時、入り口やビル全体のファサードにどこか見覚えのある感じがしていました。

　一通り案内してもらい、オーナーさんにも紹介され、一緒に食事に行く事になりました。

 

　食事をしながら通り一遍の会話が一段落して、ふと、数年前のあるデイ・サービスで行なわれたモンゴル音楽を聞いた時の話をしはじめた時、ハッとして気付いたのが、まさしく、このデイ・サービスで10年前に行なわれたコンサートだったのです。

 

　当時、そのコンサートを聴いていた時、とても不思議な体験をしたため、帰ってからすぐに松浦君に電話をして、「音楽の力ってすごいね」と、当日の様子を話した事があったため、鮮明な記憶として残っていたのです。